世界のコーヒー豆で5パーセントしかないと言われる
「スペシャルティコーヒー」にこだわった当店の豆について
WHAT SPECIALITY COFFEE?
スペシャルティコーヒーは、非常に高品質で特徴的な風味を持つコーヒーの一種です。特定の品質基準をクリアしたコーヒー豆から作られ、酸味や風味が際立ち、個別の原産地の特徴が楽しめます。
そんな世界中に5パーセントしかない、スペシャルティコーヒー豆の中から琥珀コーヒーの焙煎士が厳選した3種類の農園の豆を現在お取り扱いしています。
グアテマラ コバン オーロラ農園 SHB ウォッシュ
甘味が層を織りなす、コバンのテロワールが際立つ一品
霧に包まれた鳥の楽園
オーロラ農園があるコバンは、首都グアテマラシティからおよそ150km北に位置しています。山々に囲まれた盆地となっており、カリブ海からの温暖で湿った空気が流れ込むため、年中霧が多い町としても知られています。また、熱帯雨林がいまだ手付かずの状態で残る、鳥類の楽園でもあります。そこには、8種の固有種を含む179種の鳥類が確認されており、中でもその美しさから「オーロラ」と親しみを込めて呼ばれ、農園名の由来にもなった「Collared Trogon」(クビワキヌバネドリ)が生息しており、地域住民に大切に保護されています。この農園は1887年にドイツ系移民によって設立され、長年に渡りコーヒーを栽培し続けていましたが、2014年現在はアルド アネーゼさんがオーナーとなり、スペシャルティコーヒーの生産に力を注いでいます。現在ではカツーラやマラゴジッペのほか、ゲイシャ、パカマラ、ビジャサルチなど7つの品種をそれぞれの管理の元、栽培されています。豊富な雨量を活かした環境に負荷をかけない農場運営にも注力しており、使用する水は灌漑を行わず自然由来の物。さらに使用する電力はCO2を排出しない水力発電や太陽光発電によって賄われています。
オーロラ プロジェクト
そんなアルドさんのビジョンは、経済的に自立し、ビジネスとしてコーヒー栽培ができる農家さんを育てること。そしてその教育を通して、コバンの土地から貧困をなくしていくことを目標に、日々農家さんの間を駆け回っています。このビジョンの達成に向け、彼は「AURORA STUDIO 」というプロジェクトをスタートしました。これはコーヒーの価格の中にプレミアムを含むというもので、このプレミアムを近隣農家さんにソーラーパネルや、燃焼効率の良いエコストーブ等を配布、設置するための資金に充てています。実際に今回の海ノ向こうコーヒーの買付により、30世帯の農家さんにソーラーパネルやエコストーブが設置されました。また2023年度はその支援に加え、コバンのコーヒー栽培をかつて引っ張ってきた、高齢者の生活支援にも充てられたそうです。ここまで具体的に買付によって起こったインパクトを教えてくれた農園は、中米ではこのオーロラ農園が初めてでした。農家さんとの連携がかなり密に取れていることが想像でき、アルドさんの強い熱意を感じています。
コスタリカ ジャガー ハニー SHB
「ハニープロセス」コーヒーで、絶滅危惧のジャガーを守る。
絶滅危惧種・ジャガーを守るコーヒー栽培
「中米のスイス」と呼ばれ、軍隊を持たない平和主義の国、コスタリカ。 さらに「地球幸福度指数」No.1に選ばれたり、国をあげて環境政策にも取り組んでいたりと、独自の取り組みをすすめています。このコーヒー豆は、近年の森林伐採によって絶滅危惧種に指定された「ジャガー」を守るためのプロジェクトとして栽培がスタートしました。コーヒー豆1ポンド(約450g)当たり、最低1セントが寄付され、森林を守る活動に活かされています。コーヒー栽培の歴史は古く、アラビカのウォッシュドは高級品として知られてきましたが、スペシャルティコーヒーの潮流の中で、さらに独自性を発揮していくべく、ハニープロセスが考案されたり、トレーサビリティの向上を目指したマイクロミル革命など、工夫を重ね続けています。
1週間にわたる乾燥工程、その発酵度合いがハニー製法の鍵を握る
ハニー製法の中でも、バランスの取れたハニーらしさをしっかりと有した、イエローハニーで仕上げています。サンホセ郊外にあるサンディエゴ工場にて、1週間以上の乾燥工程を経て、適切な水分値まで下げられる間に、甘味成分が中へ浸透し、柑橘っぽさや、キャラメルフレーバーとともに、まろやかな口当たりと繊細な風味を醸し出します。ハニー製法は、よくどれだけのミューシレージを残しているかで、ブラック・レッド・イエロー等の色が決まると言われていますが、どちらかというとそうではなく、どれだけ乾燥中に発酵を促したか、で色合いが決定します。好気性発酵ですので、発酵をしすぎると嫌味な香味になりやすいため、ハニー製法はしっかりと乾燥時の管理が重要となります。
インドネシア アチェ ガヨ フルウォッシュ
COE受賞農家 アスマン アリアントの最高級珈琲
COE受賞農園のAsman Ariantoさんとは
このロットの生産者さんであるアスマン アリアントさんは南スマトラ州、パレンバン出身ですが1998年にはスマトラ島北部、アチェ ガヨに移り住みコーヒー栽培をスタートさせました。当初はスマトラ島で主流のウェットハル(スマトラ式)の精製方法でコーヒーを栽培していましたが、さらに高品質なコーヒーを作る為の実験として水洗式の精製方法に挑戦しました。この地での水洗式は、地域の気候特性として収穫期に降雨が多く、スマトラ式以外の精製は難しいとされていましたが、アスマンさんはその先の大きな可能性を追い求め、失敗を繰り返しながらも温室設備を整え、高品質な水洗式のコーヒーを作り上げることに成功しました。彼はその成功に満足せず、ハニーやナチュラル、近年では嫌気性発酵を利用した精製にも取り組み、世界を驚かせるクオリティのコーヒーを作り続けています。どのような精製でも高いクオリティを維持できる彼の力は、最初の水洗式の挑戦の中で失敗があったからであり、その経験があったからこそできることです。現在は彼は協同組合を作り、彼の経験を多くの小農家さんに伝え高品質なアチェコーヒーの発展に力を注いでいます。
リバン・ガヨ・ムサラ協同組合について
設立者はアスマン・アリアントさん。彼はコーヒー農家を団結させる協同組合を設立したいと決心し、2018年にリバン・ガヨ・ムサラ協同組合を設立しました。この協同組合には現在 350 名を超える組合員がおり、パンタン ムサラの加工施設にチェリーを配達しています。 ここに所属する組合員にとってのメリットは3つあります。1つ目は、コーヒーチェリーを協同組合に販売すると、より高い価格で買い取ってもらうことができます。2つ目は、シーズン終了時により高品質なロットで得た利益の一部を分配する「二次支払い」で報酬を受け取ることができます。2019年の報酬は1kgあたり、500ルピア(4.79円)にもなりました。3つ目に、栽培から加工まであらゆる分野で農家に研修と支援を提供しています。